
こんにちは。本日はお招きいただきありがとうございます。
講師を務めさせていただきますわたくしは、お仕事についてのプロフェッショナルを自称しております。
前提として、資格を持ってお給料をもらっているからといって、プロフェッショナルとはいえますか?
そんな問いかけから始めていきたいと思います。これはわたくしが全方位的に突き付ける刃(やいば)であります。自身にも向けています。
本日は、わたくしが持ちます知見等を披露いたします。お役に立つことがございましたら、共有いただき、日々のお仕事に活かしていただければ幸いです。
ハローワークは最後のダンジョン

さて、前の職場でのことです。松山の伊予鉄高島屋のネームプレートを付けて働いておりました。売り場に出るときは、きちんとお辞儀してたんですよ。
ニートや引きこもりに対する支援をおこなう機関がなぜかデパートメントストアにあるという、やや謎なんですがね。
そこに集う若者をサポートするのですが、その折に聴いたのが、こんな感じ。
「ハローワークに行くと打ちのめされるんですよね」
これはある意味で、キーワードといえます。
しかも、サポート側のスタッフも認めていました。具体的な内容は聞き及びませんでしたが、なんらかの困難を抱えて相談に訪れる若者が、援助されずに迎撃されるとは。
そして、思いました。公共職業安定所って怖いところなんだなあ、って。
わが国には課せられた民の義務がございまして。その1つが「勤労」です。経済活動とも言い換えられます。
ここで確認です。国民の義務にはありませんが、健康推進ってのも義務化したいと個人的には思っています。後述しますが成功者が最終的に求めるのが、間違いなく時間と健康と良好な人間関係だからです。
誰とはいわないモデルケース
一般論的に申し上げます。
典型的なケースです。客観的に観ていきましょう。
ここで語られる人は40歳代です。実家で70歳代の母親と暮らしており、軽自動車を所有しています。貯蓄はほぼありません。交友関係は皆無に等しく、これといった趣味もありません。仕事がなかなか続かないことが最大の課題と思われます。離転職を繰り返しており、経済的自立をしているとは言い難い状況です。母親の年金が頼りとなっています。本人もその状態を「是」とは思っていません。

公共の相談窓口を訪れ、経済的な困難についての訴えがありました。数回の相談を経て、自身の精神的なしんどさから、健康に関する相談に至りました。
はい。ここでつながったことにしてください。
支援者は積み上げ指向
まずは信頼関係の構築から着手します。ラポールの形成は簡単ではありませんが、なんとかコミュニケーションがとれる関係ができました。
何事にも段取りがあります。かくして、以下のようなプロセスを踏むことになりましょうか。
段階 | サポート内容 |
---|---|
1. インテーク・評価・アセスメント | – 本人の能力、興味、職業適性を評価 – 支援ニーズの把握 |
2. 支援計画の作成 | – 就労支援計画の作成 – 個々の目標設定と達成手段の策定 |
3. トレーニング・スキル開発 | – 専門的なスキルトレーニング – コミュニケーション、チームワークの強化 |
4. 職場実習・インターンシップ | – 短期・長期の職場実習 – 実際の業務を通じたスキル習得 |
5. 応募先の選定 | – 求人情報の提供 – 履歴書作成・面接対策 |
6. 就労後のフォローアップ | – 継続的なサポート – 職場での課題対応 |
各機関と連携し、事を為すことを目論み、本人に主体的に取り組むよう促します。
支援対象者はジャンプ志向

1にも2にも収入増加が最優先と考えています。職歴や経験、適性を重視しません。給与の高さで応募先を選ぶ傾向があります。
支援者の意向についてはすこぶる否定的になり、黙殺する場合さえあります。
生活に課題があったり、就労継続通所が満足にできないような状況であっても、根拠がない自信にあふれているようにみえます。
明らかなキャパオーバーな場合
安定所は紹介希望には応じることが法律で決まっています。
本人は「わたしにはできる」的に非常にポジティブになります。

面接時にピークが来るように調整したとしか思えないコンディションで面接に臨みます。
本人以外は絶対に無理だと判っているのです。それでも、前進を止めることはありません。
レッドオーシャンの荒波に飲み込まれてもらう

まさに血の海に飛び込む所業としか言いようがありません。
生活面や健康面を明らかに犠牲にしている状況です。
業務にも影響が出てきます。能率や効率は徐々に低下します。
結論的には短期で退職するに至ります。
溺れて岸に打ち上げられたら回収

本人の中では仕事が合わなかったとか、環境がよくないとか、同僚上司が悪いとか、自分以外に原因を求めます。
これを数回繰り返すこともあります。
かくして、心が折れて挫折の歴史を積み上げることになります。
成功体験の真逆です。精神衛生上にいいわけがありません。
ついに力尽きて溺れてしまうのです。
残酷なのですが、こうなってから支援者の出番となることもあります。やっと、聞く耳をもってくれるからです。
必死になって泳ぎを覚える場合も極々まれにある

天も運も味方して、奇跡が起きることもあります。
荒波にもまれて、ガブガブ水を飲みながらも、泳ぎを覚えてしまうレアケースがあります。
本人以外の当てが外れてしまい、見立てがいい意味で違った、というケースです。
ある意味で、支援側の敗北です。
開示するかしないか大問題
今日、出会った私たちが共通認識として持っておきたいことをお伝えします。
応募時にコディションについて開示するか否かは、本人および支援側にとってはたいしたことではない、という認識があります。
実際は、本人の選択です。
開示すると採用されにくくなりそうだし、なんとか現場で耐えて働こうかなあ。でも、隠しつづけるものしんどいかもなあ。
しかし、会社側には非常に大きな問題となりかねません。支援側はそのことを認識しておく必要があります。
窓口でもわざわざ言わないことも多いのですが、たまに念押しすることがあります。
「墓石の下まで持っていってください」
えらく物騒なセリフですが、これはマジな話です。

労働契約って聞いたことありますか? 日本ではあまり重視されませんが、契約社会といわれるアメリカとかでは、事細かに書かれており、使用者と労働者の両者間で重んじられます。前提条件や業務内容など、合意のもとで就労してもらうってことです。
その中で、雇用の前提の1つとして、健康に関する条項を設けている場合もあります。
重要事項と捉えている人事担当者も少なくありません。
コンディションの開示がなされず、入社後になんらかのトラブルが発生したとします。
健康上の問題が原因で事業所に損害を与えた場合、入社以前から抱えていたのであれば、経歴等の詐称と同等に扱われる可能性が出てきます。会社にも本人にも支援者にも害をもたらす、かもです。
くれぐれも、肝に銘じておいてください。お願いです。
健康についての再確認

最後に「釈迦に説法」をします。
お金持ちと健康の関係です。健康に関わるみなさんはどのように理解し、伝えていますか?
この世で大切なもの、結論から言います。お金と時間と健康と良好な人間関係です。
上位2つは時間と健康です。
貧乏人は判らないかもしれませんが、圧倒的な成功者は理解しています。

突拍子もない、例え話です。
5000億円ほしいって人、いますか?
差し上げます。その代わり、生きる時間を70年分ください。
ダメですか。では、あなたの視覚と聴覚と味覚をください。
やっぱ、ダメですか?
極端な話で現実感はありません。お伝えしたかったのは、健康推進に関わる方々へのエールです。
我々は幸せになるために生きているとして。健康は必要なのです。そのために日夜奮闘しているみなさんには頑張ってほしいのであります。
以上です。ありがとうございました。