映画「インターステラー」って知ってる?
Netflix で観てまして。なんとも不思議な不思議なストーリーですね。時空を超越するスケール感は誰もついていけないような。
さて、光より速いものって?
そんなものはありません。
いや、あります。
人の想い。
拳聖と呼ばれた澤井先生のお言葉です。
オカルトではないけど、スピリチュアルでもないけど、武術のそれっぽいところを少し。
わけししょうの武術は心意拳
わけししょうは中国武術家なのです。カタカナ英語では「カンフーマスター」とでも呼称できましょうか。
やったことない人たちでも知っているのは、太極拳とか少林拳かな。ゲームでは八極拳、映画では酔拳に蛇拳などですか。
わけししょうの専門は「心意拳」といいます。ちょっと長く名乗ると「戴式六合心意」になります。中国の山西省に伝承されてきた、最後の秘密拳法といっていい拳種なのです。いや、冗談抜きでね。
大昔、「セイバーキャッツ」って漫画があって、武術のお宝が「八卦掌」って設定でしたが、そんなメジャーな門派がお宝という設定が残念でした。当時は心意が知られることもなかったので当然ですが、まさに武術界のお宝です。それは系統的にも技術的にも間違いありません。詳細は別の機会にゆずります。
あらかじめ申し上げておきますが、ビジネスにはなりにくい。残念ながら、うちのかあちゃんを楽させてあげらないのです。
胸躍るカンフーとご多聞にもれず、龍とか虎とか馬とかトンボとか、動物の名前を冠した技なんかも多数あります。獣の模倣というより、動きの特徴を取り出して、制敵を目的とした身体運動です。名づくことで伝承するのに便利と思われます。
名前って大事ですよね。そう、あなたの名前だって。どういう思いと願いを込めて名付けられたのか。機会があれば、ぜひ由来を訊いてみてください。そして、名前負けしてないか確認しましょう。
心意拳とは、心と意と気と力の調和を究極のテーマとするのです。なので、心意と称しているのです。
あえてパブリックに向けてでないところで真髄を披露します。さらっとね。
「内三合」「外三合」という極意というか目指すべき秘訣が心意にはあります。合わせて「六合」となります。外三合はここでは扱いません。内三合についてです。
「心与意合、意与気合、気与力合」これが内三合です。
3つの「合う」を重要視しているのです。調和というかハーモニーというか。漫画チックですよね。内なるセグメントの合一が威力を出すみたいな。
心⇒感情
心意でいうところの「心」とは感情や心情・情念です。喜怒哀楽といってもいい。抑えられない湧き出す思いを指します。
まあ、戦闘を旨とするのが武術ですから、ポジティブな感情ではないことが普通です。怒りとか恐れとか羞恥心とかですかね。
意⇒意志
「意」とは意志(ウイル)とか希望(ホープ)です。知性や思考ともいえます。ひらがなにひらくと「思い」です。中国語だと「意念」でしょうか。
毎度お馴染みのドラえもんのオープニングテーマですね。「あんなことできたらイイな」です。
「心」と「意」が合う、とはまさにマインドセットをセットする、って感じですか。拳譜にあるのですが、「怒与勇合」という文言です。
気⇒心意と身体をつなぐもの
「気」とは概念としての存在です。つまり、内面的な心理現象を身体運動につなぐものです。
中国では神経系統を指す、という向きもあります。解剖学的には間違いではないかもしれませんが、生理学的には物足らない。
まあ、非常につかみどころがないのですが、逆説的に、この概念ないと理論的に成立しません。
力⇒アウトプット
いよいよ、身体が動かす段階です。とはいえ、これまた概念的です。
ガンダムのコックピットのアムロレイが雄たけびをあげてレバーを引いている、そんな感じですかね。
すでに身体運動といっていいかもしれません。
広義でいうところの、基本というか、身体の動かし方というか、要領のようなものでしょうか。「力を抜いて力を出す」というテーマの追求といってもいい。
心意は陰陽ではないかも
大分の大東流師範が常々お話いただいたのが「流派/アプローチは違っても、目指すのは同じ」という武術の共通する究極です。
しかし、どうしても可視化している身体運動のことだと思ってしまう。実はそこじゃない。
多くの流派は陰陽説で説きます。
無極⇒太極⇒両儀(陰陽)⇒八卦 って感じ。
心意では「無極⇒太極」を内三合として説いている、という結論です。長かったね。
実は日本語にもありました
心意というワードは日本では聞くことがありません。中国の物なのだから当たり前です。
わけししょう、以前から申し上げています。そう、心意は心意気の武術なんだと。
内三合といわれる肝要を理解するのは難しい。でも、心意気之力といえばイメージしやすく肚落ちしやすいし、心意の真骨頂を瞬間で理解できます。
なんか、UMAチックですよね。遠くの文化がなんかの古代壁画に記されていた、みたいな。つなぐ説明がつかないと。
武術の極意
わけししょう、以前は市民活動的に武術をネタにしておりました。
ご老体対象に、安全確保の考え方とか傘を振り回す術とか講釈を垂れておりました。とあるご婦人が問いかけます。
「わたしのような身体が満足に動かない年寄りが武術なんかできますか?」
わけししょうが応えます。
「できます。しかも瞬間にですよ」
「???」
「危険な目に遭っても、簡単にはやられてたまるか!っていう気概を持ってください」
小難しく考えることありません。まさに心意気を示せるか、です。殴るとか刺すとか含めて、愛するとか許すとか、負けるとか引くとか、とるべき態度が心意です。
見せろ魅せろ観たいみんなの心意気
心意を操る者の資格とは?
実に簡単。心意気を示すことができるか、です。
覇気や熱量、前向きな欲望、克服のための叡智、同志への信頼、などなど。かなり美化してますかな。
これって、武士道に通ずるものがあると思います。
わけししょうも心意気を存分に発揮したい、発揮する生き様を晒していきたいと思います。ちょっとくらいはできてますかね。
自らに問いかけてください。
ホントは「男子力」のカテゴリーで「心意気力」ってタイトルで編成しようとしてたのだけど、あまりにもマニアックなので和気功夫にもってきました。仕方ないよね。では。